特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

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講習会

2006年9月25日(月)

1. 実践ヒューマンインタフェース
オーガナイザ:森本 一成(京都工芸繊維大学) 垂水 浩幸(香川大学)
講師:鱗原 晴彦(U'eyes Disign) 小川 俊二(カイデザイン) 松原 幸行(キヤノン)

2. 初心者のためのヒューマンインタフェースデザインの極意
オーガナイザ: 益岡 了(岡山県立大学) 黒田 知宏(京都大学) 河野 恭之(奈良先端科学技術大学院大学)
講師:森下 眞行(岡山県立大学) 櫛 勝彦(京都工芸繊維大学)

3. はじめての心理統計:心理実験の統計分析の基礎
オーガナイザ:木村 朝子(立命館大学) 竹内 勇剛(静岡大学)
講師:松尾太加志(北九州市立大学)


コース1
「実践ヒューマンインタフェース」

オーガナイザ: 森本 一成(京都工芸繊維大学) 垂水 浩幸(香川大学)

1. 毎日の設計現場に有効な人間中心設計のコツ

鱗原 晴彦(U'eyes Disign)

コストや技術の制約の中で納期に追われながらも、目の前の設計開発対象を少しでも有用な、役に立つモノに仕立て上げたい!開発に携わるエンジニアの誰もが こうした思いを抱きながら毎日の業務で悪戦苦闘している。製品の使いやすさ(ユーザビリティ)を高める手法が整備され、ツールも整ってきた。しかし、開発 現場への導入にはまだ敷居の高いイメージがある。実際の現場で効果を発揮してきた、一般エンジニアでもできるユーザビリティ向上のための設計のコツ・工夫 点を解説する

主要著書:「ユーザビリティテスティング」(共立出版)、「GUIデザインガイドブック」(海文堂)ほか。

著者略歴:1982年金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。1990年株式会社ノーバス設立に参加。2002年株式会社ノーバス代表取締役社長、また2005年U'eyesDesignInc.代表取締役に就任。「使いやすさ研究所」主宰(http://usability.novas.co.jp)NPO法人人間中心設計推進機構、理事長・事務局長。筑波大学大学院、東北工業大学非常勤講師、札幌ITカロツツエリア・アドバイザー。

鱗原 晴彦氏の写真です

2.製品デザインとヒューマンインタフェース

小川 俊二(カイデザイン)

製品や人工物の価値は、機能や使いやすさから、ものとしての美しさや存在価値まで、さまざまな要素の上に成立している。そしてこれらは独立したものでなく相互に影響を与え合う関係にある。ここでは、ユーザビリティの問題を中心課題においた上で、IT関連製品を総合的にバランスの取れたデザインにするための方法を、具体的なデザインのステップに沿った形で解説する。

主要著書:「見せるユーザーインターフェースデザイン」(訳書:日経BP社刊)著者

略歴:インターラクションデザイナー。有限会社カイデザイン取締役。 多摩美術大学上野毛校講師、日本デザイン学会員、NPO法人人間中心設計推進機構理事。生活用品から専門機器等さまざまな製品におけるユーザーインタフェースを中心としたソフトウェアのデザイン、開発および提案に携わる。

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3. ガイドラインとそれを基にしたチェックリストの活用による製品ユーザビリティのマネジメント

松原 幸行(キヤノン)

製品のユーザビリティを高めようとする時、設計者/デザイナーが実際の開発活動の中で参照できるガイドラインの存在は非常に有効である。是非、設計/デザ インのインプット情報として整備すべきである。しかし設計/デザインの成果物が想定した品質に達しているか否かを判断するツールとしては心もとない。成果 物のユーザビリティ品質の達成度は、チェックリストによって判断可能である。

主要著書:共著;「ヒューマンインタフェース」(オーム社)、「デザインセクションに見る創造的マネージメントの要諦」(海文堂)、他。

著者略歴:パイオニア株式会社(1976-1983)、富士ゼロックス株式会社(1983-2004)を経て、2006年にキヤノン株式会社総合デザインセンター、 ヒューマンインターフェイスデザイン部に所属し、現在にいたる。ユーザビリティおよびインタフェースのデザインが専門。青山学院大学機械工学部非常勤講師 (1998-現在)。ISO/IECJCTl/SC35国内委員会WG4主査(2002-現在)。NPO法人人間中心設計推進機構、理事(2005-現在)。

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コース2
「初心者のためのヒューマンインタフェースデザインの極意」

オーガナイザ: 益岡 了(岡山県立大学) 黒田 知宏(京都大学) 河野 恭之(奈良先端科学技術大学院大学)

1. 誰でも使いやすい製品デザイン実現のために

森下 眞行(岡山県立大学)

少子高齢社会において、製品デザインに求められるのは審美性や機能性のみならず、子供、健常者から高齢者、障害者までを対象としたユニバーサルな視点での「使いやすさのデザイン」である。この講習では、身の回りの商品を題材にして、誰でも使いやすい製品デザイン実現のために、インターフェース面からの配慮を具体的に例示するとともに、ワークショップではUDマトリックスを利用した検証を行う。

専門分野:プロダクトデザイン領域

主要著書:
バリアフリーの商品開発2(日本経済新聞社’96.10/共著)、
インダストリアルデザインワークショップ(メイセイ出版’93.2/共著)

著者略歴:
‘77金沢美術工芸大学工業デザイン専攻卒、
’77ブラザー工業入社、’84~’88ニューヨーク駐在、
’05/6岡山県立大学デザイン学部教員(教授)、
’94~’97デザイン名古屋開催委員会企画委員、
’02MESH環境デザイン大賞「中部経済新聞社賞」受賞、
’03岡山県ユニバーサルデザイン懇話会委員、
’04CCDOデザインアウォード2003「審査員特別賞」受賞
’01~’05環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)広報担当、
エコプロダクツ’01~’04展ブラザーブース出展プロデューサ、
’01~’05ブラザー環境報告書編集責任者

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2. HIデザイン創造の醸成環境と方法論

櫛 勝彦(京都工芸繊維大学)

イノベーションには組織的創造性が必要である。しかし、それは個人の内的問題として扱われる傾向にあり、組織的に取り上げられることは希である。一方、ユーザ・ニーズの発見が創造的解決(イノベーション)への近道であることも認識されつつある。講習では、ニーズ探索の意味を確認し、デザイン過程における観察データの共有と発想展開のための組織的手法への取り組みを紹介し、特に製品開発初期過程においての創造的枠組み形成と方法論について学習する。

専門分野: プロダクトデザイン、インタラクションデザイン、デザイン方法論

主要著書: 『人間生活工学 第一巻 人にやさしいものづくりのための方法論』丸善、共著

著者略歴: 京都工芸繊維大学工芸学部意匠工芸学科卒業。(株)NECデザイン在任中スタンフォード大学大学院プロダクトデザインプログラムへ留学、MFA(芸術学修 士)取得。NECでは、プロダクトアイデンティティー開発、ハードとソフトを統合したインタラクションデザインの提案、ユーザ調査などを担当。現在、京都 工芸繊維大学大学院工芸科学研究科造形工学部門助教授。

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コース3
「はじめての心理統計:心理実験の統計分析の基礎」

オーガナイザ:木村 朝子(立命館大学) 竹内 勇剛(静岡大学)

1. はじめての心理統計:心理実験の統計分析の基礎

松尾 太加志(北九州市立大学)

ヒューマンインタフェース研究では、人間を被験者とした心理実験を多く行います。心理実験で得られたデータは実験計画に見合った適切な統計分析を行ってはじめて意味あるものとなります。モノを扱う実験とは異なり、実験計画も統計手法も工夫が必要になります。人間を扱う場合、理想的な実験計画や理想的な統計手法があるわけではありません。テキストに載っている手法をマニュアル通りに使うだけではうまくいかない場合があります。どのような統計手法を使うべきかは、統計の基礎的理解が必要です。本講習では、心理実験のデータの統計分析をはじめて行う人に基礎的な統計の考え方を学んでいただきたいと思います。具体的には、平均値の考え方、統計検定の考え方、t検定、分散分析、ノンパラメトリック検定の各手法の基礎について解説します。これから統計の基礎を学びたい方、もう一度基礎から勉強し直してみようという方々の参加を歓迎します。

専門分野:
認知心理学、認知工学、社会心理学

主要著書:
『コミュニケーションの心理学』(ナカニシヤ出版 1999年)
『誰も教えてくれなかった因子分析』(北大路書房 2002年)(共著)

著者略歴:
1988年 九州大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学
1989年 早稲田電子専門学校福岡校講師
1990年 佐賀女子短期大学講師
1993年 北九州市立大学(当時・北九州大学)文学部助教授
2002年 同 教授(現在に至る)
ヒューマンインタフェース学会、日本心理学会、日本認知心理学会、日本認知科学会、日本人間工学会、日本生理心理学会、日本グループダイナミックス学会、日本情報ディレクトリ学会(理事)などの会員

松尾 太加志氏の写真です

注)コース3の講習会当日には、電卓(四則演算ができれば可)をご持参ください。


参加費と参加申込
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