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会長挨拶(椹木 哲夫)

特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

会長挨拶


ヒューマンインタフェースの革新による新社会の創生
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ヒューマンインタフェース学会会長 椹木 哲夫

 

第4代会長の渡辺富夫先生の後を受けまして本年3月14日より特定非営利活動法人ヒューマンインタフェース学会の会長に就任致しました.歴代会長先 生のリーダーシップのもとで築き上げられてきました伝統を堅持していくとともに,これから新役員の皆様とともに新たな学会の歴史を築いて参りたいと考えて おります.

いまから2年前,渡辺富夫前会長が会長就任に当たられてのご挨拶「ヒューマンインタフェース学の体系化を目指して」の中で,横幹連合(横断型基幹科 学技術研究団体連合)を構成する他学会に向けた本学会のキャッチコピーを,「時代は人,その要となるHI技術」とされたことを述べられています.初代の井 上会長が学会設立に際して,21世紀はまさに人の世紀であり,時代が移り変わろうと,その要となる技術はヒューマンインタフェースであることを表現された ものですが,このキャッチコピーは実に多くの方々からの共感を呼びました.昨年度,経済産業省の平成19年度技術戦略マップローリング委託事業 (アカデミック・ロードマップ作成支援事業)として,横幹連合がその分野横断的なアカデミック・ロードマップの作成を主体的に実施することになり,連合内 に4つのワーキンググループが作られて作成を進めることになりましたが,そのうちの一つのワーキンググループを本学会が幹事学会として任されました.これ を受け,この3月までの1年間をかけて,本学会理事の方々を中心に,他学会からの委員とも協力しながら「ヒューマンインタフェースの革新による新社会の創 生」に関するロードマップの作成を検討して参りました.

これからの社会において求められるのは,自分たちで作ったものを使う知恵や力です.消費者が欲しいものは,いまや「もの」それ自体としての「クル マ」や「電化製品」ではなく,「クルマや家電製品を通じて得られる価値」です.それは,味わいであり,豊かさであり,楽しさであり,これらはすべからく, かかわることによって初めて意味をもつ「こと」としての実感に通じるライフスタイルです.そしてまさにこれを生み出すのがインタフェース技術であると言え ます.このような観点から,ロードマップでは,「実感」,「感性」,「かかわり」の軸を設定し,そこでのインタフェースが実現すべき機能として,「見せ る」,「動かす」,「育てる」に絞り込んで議論を重ねて参りました.認識主体としての人間と,これを取り巻く環境,そしてこれらを繋ぐインタフェースとい う三項関係として捉え,これらの相互関係の発展性から,インタフェースの革新がどのような未来社会を実現するかについて考えて参りました.個人の認識を助 け,人の共感を引き出し,共同体や組織・社会のレベルでそれを根付かせていくためのこれからのインタフェース研究の無限の拡がりを,改めて確信するに至り ました.

来たる2009年1月13日に本学会は設立10周年を迎えます.この10 周年の記念事業のために10周年記念事業委員会委員も組織され,現在企画立案を進めております.学会活動への皆様の積極的なご支援・ご協力を賜りますよう,何卒よろしくお願い致します.

末尾になりましたが,会員の皆様の益々のご発展とご健勝を祈念して,就任の挨拶とさせていただきます.ありがとうございました.

 

 

過去の会長挨拶

「ヒューマンインタフェース学会の発足に際して」
ヒューマンインタフェース学会初代会長 井上 紘一
(1999年度~2002年度)
「ヒューマンインタフェースの益々の発展を祈念して」
ヒューマンインタフェース学会2代目会長 吉川 榮和
(2002年度~2004年度)
「ヒューマンインタフェース学会のさらなる発展を目指して」
ヒューマンインタフェース学会3代目会長 西田 正吾
(2004年度~2006年度)
「ヒューマンインタフェース学の体系化を目指して」
ヒューマンインタフェース学会4代目会長 渡辺 富夫
(2006年度~2008年度)

 

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