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会長挨拶(吉川 榮和)

特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

 

会長挨拶


ヒューマンインタフェースの益々の発展を祈念して

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ヒューマンインタフェース学会会長 吉川 榮和

 

新年にあたり、会員の皆様の益々のご発展の年となりますことを祈念します。

ヒューマンインタフェース学会も発足以来今年は早や5年目を迎えることとなりま したが、その会員数も今や1,000名を優に超え、恒例のヒューマンインタフェースシ ンポジウムの参加者も年々増加しています。会誌では連載講座等の企画記事も充実し、 論文誌では多彩なテーマの特集号の発刊が進められ、ヒューマンインタフェース研究 会では他学会等とも連携してトピカルな研究発表の場が活発に提供され、各専門研究 部会などによるセミナーの企画も充実してまいりました。また昨年度からはメーリン グリストによる学会ニュースを毎月会員の皆様にお届けできるようになり、学会活動 が益々活発化して参りました。これも担当理事・委員会の皆様や会員各位の活発なご 協力とセクレタリアット社殿による学会事務局業務ご支援の賜物と厚く御礼申し上げ ます。

ヒューマンインタフェース学会理事会では昨年来、当学会の多方面の活動展開を背 景に学会の「社団法人化」を将来目標にすることを検討しております。もとより社団法 人となるためにはその専門領域の独自性、一定規模以上の会員数や財政状況、さらに は事務局体制などの制約があって、現在の当学会の状況では明日からすぐにというわ けには行きません。またヒューマンインタフェース学会の諸活動の発展が結果として 「社団法人化」につながるとしても、その前には何よりも「社団法人化」することが会員 の皆様にとって有意義かどうかを、皆様にお諮りすることが必要であります。このこ とについては総会・評議員会でお諮りし、会誌等での会員へのアナウンス等でお諮り して皆様のご意見を頂戴したく考えておりますのでどうかよろしくお願い致します。

ヒューマンインタフェース学会では、一昨年来の計測自動制御学会によるシステム 関連の学協会への「横断型基幹科学技術」学会連合形成への呼びかけに応じて本年度か ら正式に発足する同学会連合に加入することとしております。このような動きはここ 10年来低迷している我が国の経済不況や技術開発能力の低迷、相対的低下の原因を、 縦割り的、個別進化型の既存の「垂直型」科学技術のあり方に問題があるとして、個別 分野を横断し俯瞰する「横断型」科学技術を創生し、「垂直型」と「横断型」科学技術を組 み合わせた融合型分野推進の具体的戦略を構想しようというもので、現在、30学協会 程度の参画で「横断型基幹科学技術」学会連合を近々発足することになっています。ヒ ューマンインタフェース学会の設立理念から敷衍すれば、「社会・環境の中に置かれ たヒトを機軸に、ヒトと人工物の関係を理工的原理と人文的原理とを横断して広範に 分析評価してヒトに奉仕する人工物の新たな価値創造をデザインしよう」とする切り 口から、このような横断型科学技術の一つの方向性を提起していくものと、期待して おります。また、我が国科学技術の4大重点分野の一つである情報通信分野で、次世 代ヒューマンインタフェースがその大きな課題となっていることからも、その名前を 学会名とするヒューマンインタフェース学会はその組織的な学会活動として「次世代 ヒューマンインタフェース」に対して積極的な提言をしていくこともその将来構想の 大きな課題と考えております。

さて、ヒューマンインタフェース学会の理事会や評議員会の現在構成を見ますと、 とくに大学所属の方々が過半を占め、民間機関の方が少なくなっています。この現象 はこれまで民間機関の第一線研究者であった方々が多数、大学のヒューマンインタフ ェース系諸講座の先生に転進されたためですが、今後の理事会や評議員会の構成では 多数の民間機関の方々にご参画頂いて、大学と民間の比率が半ばするようにしていく ことも本学会の将来の発展にとって大きな課題と考えております。民間機関でヒュー マンインタフェース技術の研究に携わっておられる会員の方々の積極的なご参画をお 願いいたします。

一方、民間機関の一線研究者の方々の大学のヒューマンインタフェース系講座への ご発展については、ヒューマンインタフェース分野がこれまでの民間での研究開発成 果を基盤にして、これから大学で体系化されて発展していく重要分野、そして次世代 の人材育成が社会的にも強く要請されている分野と考えています。大学の諸先生方に はヒューマンインタフェース分野の発展のために若い学生諸君の教育研究指導を通じ て、本学会に新しい若い人々が加入いただいて本学会の益々の発展を盛り立てていた だくことを期待しております。

最後になりましたが、将来のヒューマンインタフェース研究を荷う若い方々が本学 会の理事会・評議員会・各種委員会の諸活動に積極的にご参加いただき、本学会の発 展を支えて下さいますことを祈念して、年頭の挨拶とさせていただきます。


過去の会長挨拶

「ヒューマンインタフェース学会の発足に際して」
ヒューマンインタフェース学会初代会長 井上 紘一
(1999年度~2002年度)
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