特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

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投稿案内

論文誌特集
「バーバルインタフェース・インタラクション」への論文投稿のご案内
(2013年11月発行予定)

 音声言語や視覚言語,またそれらに付随するマルチモーダルな情報は人同士のコミュニケーションにおいて非常に重要な役割を果たしています.言語によって伝達される情報をここでは「バーバル情報」と呼びます.バーバル・コミュニケーションは特別な訓練を必要とせず誰でも手軽に行えるため,人と人工物が円滑なインタラクションを行う手段としてこれまで強い期待を集めてきました.またバーバル情報は,モバイル機器を利用時や,視覚障害・肢体不自由などの理由で一般的な入出力インタフェースを用いることができない場面でのヒューマンインタフェースとしても有効であると考えられています.人―人工物の円滑なインタラクションの実現を目指して,自然言語処理技術や音声情報処理技術はこの数十年間,着実に発展してきたといえます.またインタラクション研究においては,近年映像が手持ちのコンピュータで扱えるようになったことにより,バーバルのみならず,ノンバーバル情報ひいてはマルチモーダル情報を扱う手法が一般的になりつつあります.しかし,収録機器の発展により観察可能になった情報を取り入れることばかりが,インタラクション研究を進めるわけではありません.言い換えれば,研究者の観察可能性(observability)と会話参与者の利用可能性(availability)は別であると考える必要があります.インタラクション研究者は,マルチモーダル情報の観察経験から,バーバル情報の位置づけや役割を再定義する必要があるのではないでしょうか.
 近年では,大量に蓄積されたデータを容易に参照できるクラウド技術が利用できるようになったことで,これまで携帯端末などでは難しかった高度な音声認識処理や自然言語処理が容易に行えるようになってきました.これに伴って,音声対話を行うエージェント・システムが急速に普及しつつあり,その適用場面や用途も広がりつつあります.このような情勢の下で,マルチモーダルな観点から総合的にバーバルインターフェース/インタラクションをデザイン・分析することの重要性はますます高まっているといえるでしょう.一方,現状のバーバル情報を用いたインタフェースにおいては,いまだ自然で円滑なインタラクションが実現されているとは言い難いのもまた事実で,音声認識・合成のみならず,ユーザの意図の理解,対話の管理など解決すべき課題は幅広い分野にまたがって数多くあります.
 本特集号では上記のような関心から「バーバルインタフェース・インタラクション」と題し,バーバル情報を利用したインタフェース・インタラクションに関連する幅広い分野からの論文を募集します.具体的には,以下のような事項に関する試み,構想,新たな切り口などの論文投稿を期待しています(下記のテーマには限りません).皆様からの積極的なご投稿をお待ちしております.

・バーバル・インタラクションに重点を置くマルチモーダル対話システム
・音声対話システム,テキスト対話システム全般
・手話による対話システム
・対話システムのアーキテクチャ
・音声対話システムを指向した音声理解・音声合成技術
・バーバルインターフェースによる視覚障害者・肢体不自由者などの支援
・対話ロボット・対話エージェント・会話支援システム
・自然言語理解・自然言語処理を利用するヒューマンインタフェース
・バーバル・インタラクションからの意図理解・談話理解・会話構造・対話処理
・対話システムにおける知識獲得

論文誌編集委員会

論文投稿締切日

2013年5月27日(月) 必着

特集号編集委員

 柏岡 秀紀(情報通信研究機構)
 菊池 英明(早稲田大学)
◎小森 政嗣(大阪電気通信大学)
 竹内 和広(大阪電気通信大学)
○坊農 真弓(国立情報学研究所)
 森 大毅(宇都宮大学)
 他、数名程度を予定
 (50音順 ◎印は編集委員長、○印は副委員長)