特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

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設立総会・記念講演会・記念パーティ次第

[案内]
会長
開催日 1999年1月13日(水)
時間 1999年1月13日(水)13:30-17:15, 17:30-19:30
概要
会場 東京大学山上会館(東京大学構内,三四郎池側)
〒113-8685 東京都文京区本郷 7-3-1 Tel:03-3812-2111
交通
交通URL
次第
13:30~14:30 設立総会
1.開会
2.設立の主旨と経緯
3.定款,細則等の提案と審議
4.役員人事の提案と審議
5.設立宣言及び挨拶
6.99年度事業計画の提案と審議
7.99年度予算の提案と審議
8.質疑
9.閉会
大会議室
14:40~17:15 記念講演会
(1)「開かれた情報環境とヒューマンインタフェース」
京都工芸繊維大学  田村 博 教授
(2)「ヒューマンインタフェース研究の現状と将来」
慶応義塾大学    安西 祐一郎 教授
大会議室
17:30~19:30 記念パーティ(無料) 談話ホール

[議事録]
議長
進行
作成
内容

1999年1月13日に、記念すべきヒューマンインタフェース学会の設立総会が、東京大学山上会館大会議室で開催されました。以下に設立総会の内容を次第に従って報告します。

1.開会
設立委員会の藤田孝弥委員から、現在の正会員総数はヒューマン・インタフェース部会員で新学会への入会をされる方526名、新会員148名で合計674 名、現時点での出席者80名、委任状91名で、定款案の通常総会の成立要件である正会員総数の1/10以上の出席が満たされ、通常総会としても成立していることが報告された。続いて、藤田氏が議長に就任することが承認され、設立総会の開会が宣言された。

2.設立の趣旨と経緯
設立委員会の委員長である井上紘一氏から、ヒューマンインタフェース学会の設立の趣旨と経過について以下のような説明が行われた。
設立総会特集号(学会誌Vol.0,No.0)の12頁の設立趣意書にあるように、21世紀は人の世紀であり、そのかなめとなるのがヒューマンインタフェース(HI)であり、新学会が将来に向けてまさに旅立つときである。
計測自動制御学会(SICE)のHI部会は1984年秋に設立された。SICEの部会の中で、経理上独立採算制と組織上登録部会員制(SICEの会員でなくても部会員になれる)の特徴をもち、昨年度末現在、部会員総数約600名のうちSICEの会員は約130名であった。SICEは1998年以降3年かけて部門制へ移行することを決定し、部会の特徴であった独立採算制や非会員の多い部会を認めない方向を打ち出した。1997年HI部会運営委員会(主査:東京大学廣瀬通孝先生)で新学会を設立する方向で決定し、1998年1月のHI部会運営委員会(主査:京都大学吉川榮和先生)の下にWGとして新学会設立準備委員会が組織され、3月から1998年9月まで6回の委員会が開催された。1998年9月にHI部会運営委員会で経過報告が行われ、新学会の設立に向けての承認が得られ、9月28日に東京農工大学で設立発起人大会が260名以上の発起人(最終的には発起人数418名)の出席の下に開催され、19名の発起人幹事が選出されてHI学会設立委員会が発足した。その後、HI学会設立委員会は、HI部会とは独立に新学会設立の準備を開始した。9月から12月にかけて4回の委員会を開催し、精力的に準備を進め、本日の設立総会に至った。

3.定款、細則等の提案と審議
定款、細則等の準備を担当した設立委員会の吉川榮和委員より、設立総会特集号の9頁から15頁にある、学会定款(案)、評議員会規程(案)、役員選挙に関する規程(案)、役員候補選出に関する規程(案)、入会金および会費に関する細則(案)、名誉会員候補者推薦基準(案)とヒューマンインタフェース学会常設委員会規程(案)の提案が行われた。
まず、定款の附則3での印刷ミス「設立総会を得て決定する。」を「設立総会の承認を得て決定する。」に修正することが述べられた後、本会をヒューマンインタフェース学会(Human Interface Society)と称し、事務所を京都市左京区吉田本町に置き、また必要と認めた場合は支部および小委員会を設けることができるとする総則から、学会の事業、会員の種別、会費、入会および資格の喪失、役員と評議員、会議、資産及び会計、定款の変更及び解散に関する各条項と関連する規程、細則の概要が説明された。特に、
・ 第20条:本会の事業の事務処理等に関して、事務処理に関する業務の一部を外部委託する場合と外部から業務を受託する場合の規程が記載されていること。
・ 学会設立時の特別措置を述べた附則2~6で、発足時の理事(会長及び副会長を含む)及び監事は、選挙を経ず、設立委員会が推薦し設立総会の承認を得て決定すること、定款では理事や監事の任期は2年であるが、定款成立時の理事及び監事の任期は1年であること。
が補足された。
以上の提案に対して、特に質問も無く、拍手をもって定款(案)及び規程(案)等が承認され、今後これらに基いて議事が進められることとなった。

4.役員人事の提案と審議
設立委員会で総務担当の幸田委員から、新学会の役員人事について以下の説明と提案を行われた。
・ 承認された定款の第4章第13条により、学会の役員は会長1名と副会長2名以内を含む理事10名以上20名以内と監事2名と定められていること。
・ 学会設立当初のため、役員選挙に関する規程に従い会員による選挙を実施できないので、定款附則3:発足時の学会役員は設立委員会が推薦し設立総会の承認を得て決定する、に従って、設立委員会が役員候補者を推薦すること。
・ 設立総会特集号の19頁にある1999年度役員候補者一覧表に記載されているように、理事候補者19名(うち、会長1名と副会長2名)と監事候補者2名として、
会 長:井上紘一、
副会長:岡本明(財務担当を兼任)  岸野文郎 (シンポジウム担当を兼任)
総務担当:幸田武久、藤田孝弥    財務担当:加藤寛治
会誌担当:吉川榮和、宮里勉     論文担当:西田正吾、黒川隆夫
事業・企画担当:安村通晃、野村淳二 研究会担当:渡辺富夫、小木哲朗
国際担当:黒須正明、大須賀美恵子  情報担当:加藤博一、小林郁央
シンポジウム担当: 森川治
監 事: 田村博、塚田啓一
の各氏が推薦された。
役員候補者の紹介の後、拍手により候補者が承認され、役員が決定した。

5.設立宣言及び挨拶
初代会長に就任した井上紘一氏から、「ヒューマンインタフェース学会が設立され発足したことをここに宣言いたします、1999年1月13日午後2時1分。」との設立宣言が述べられ、その後、以下のような要旨の就任挨拶があった。
新役員を代表して、役員の使命は設立趣意書に述べられている事柄を実現するべく、学会を運営することであり、次の5つの方針で活動を行いたい。
1)学会の運営はオープンかつガラス張りに
役員は選挙で公明正大に選出する。この趣旨に従って、現役員の任期は1年とし、1年後には定款に従って役員選挙を行う。
2)学会の役員人事は新陳代謝を活発に
会員に積極的に学会の諸行事や活動に参加してもらえる近道は何らかの形で学会の運営に参加して頂くことである。定款に役員の任期は原則として連続して2期4年までとし、多くの会員が学会の運営に参加して、新しいアイデアと活力を投入してほしい。
3)新規事業
ヒューマンインタフェース学会として、学会誌、論文誌の発行、ヒューマンインタフェースシンポジウムや研究会の活動を行うほか、新学会にふさわしい新規事業を事業・企画委員会を中心に時間をかけて検討したい。特に若手の研究者、エンジニア、デザイナー等の意見を反映したい。
4)学会の財政基盤の確立
経済状態が困難な中で、学会の財政基盤を確立するため、設立総会特集号の付録:ヒューマンインタフェース学会の概要にあるように、当分の間は3つの分散事務局体制をとって、学会の事務処理を行っていきたい。
5)会員数700人体制の達成
設立発起人大会以降、個人会員の新入会は学生会員を含めて180人以上あり、当初の目標であった会員700人体制は達成された。今後、さらに多くの人が学会に期待して参加していただいたことを大切に考え、会員の皆様に喜んでいただけるような学会運営を行いたいので引き続き、ご支援、ご指導を頂きたい。

6.99年度事業計画の提案と審議
岸野副会長から、設立総会特集号の1999年度事業計画案(18~20頁)に従って、新学会の99年度事業計画が以下のように提案された。
・事業としては、設立総会直後にある記念講演会(講演内容については別欄の記事をご参照下さい)に始まり、学会の主行事であるヒューマンインタフェースシンポジウムの大阪大学での開催、学会誌年4回(2月、5月、8月、11月発行)、2月16日に三菱電機(株)先端技術研究所で開催される第1回ヒューマンインタフェース学会研究会「ヒューマンインタフェースにおけるヒューマンセンシング」に始まる年5回の研究会の開催、随時開催される4つテーマからなるヒューマンインタフェース研究談話会の活動、日本人間工学会関西支部主催のシンポジウム「洗濯の技術と文化」への協賛やHCI Internationalとの共催などの内外の関係機関との提携および交流が説明された。
・事業を推進、運営するための会議として、本日の設立総会に始まる、理事会、評議委員会や各常設委員会の開催計画が説明された。
拍手をもって事業計画案が承認された。

7.99年度予算の提案と審議
岡本副会長から、設立特集号の21頁にある1999年度収支予算案について以下のような説明が行われた。
・収入の部の2.学会費収入で「維持会員」は「賛助会員」に修正する。
・昨年までの「ヒューマン・インタフェース部会」の予算方式を参考にして立案した。
・ 収入としては、「ヒューマンインタフェース」ハンドブックの印税寄付金、会員700名の学会費収入(現在、ほぼ700名)等からなり、1842万円の収入を見込んでいる。
・研究会とシンポジウムは独立採算制で実施したい。
・ 支出としては、学会設立に伴う諸経費(150万円)、2つの事務局経費と業務委託費等からなり、次年度の繰越金としては65万円を見込み、計1842万円である。
・初年度は不確定要素が多いが、会員数の増大を期待する。
予算案は拍手をもって承認された。

8.質疑
藤田議長から、「学会の運営について、オープンに意見があればお願いしたい」と会場の意見が求められた。しかし、その場で意見はなかったので、意見があれば事務局へご連絡頂くよう要請された。

9.閉会
藤田議長より、「以上を持ちまして設立総会の閉会します。」の言葉で設立総会の全ての次第がつつがなく終了した。
引き続き記念講演会と記念パーティ(内容については別欄の記事をご参照下さい)が盛況のうちに開催された。