特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

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会誌委員会委員長の挨拶

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委員会報告:会誌委員会

会誌委員会委員長 中小路 久美代

 

  会誌委員会の役割は、ヒューマンインタフェース学会誌を発行することです。毎年度、5月、8月、11月、2月の年4回、会誌を発行しています。現在の会誌委員会は、委員長、副委員長、編集委員幹事6名、編集委員8名、および事務局から構成されています。委員長は毎年交代、編集委員の任期は原則として二年となっています。

  毎号の会誌は、巻頭言、展望からはじまり、各委員会からの活動を伝える委員会報告(この原稿が、会誌委員会からの報告です)、企画記事、報告、会報から成ります。時には書評も掲載します。

  企画記事には、タイムリーな話題をテーマとして組み、そのテーマに合う数編の原稿を掲載する「特集」や、学術/技術的な基礎をチュートリアル的に解説する「基礎講座」、話題となっている技術について論じる「技術展望」や、「研究所紹介」などを掲載します。「報告」では、学会が主催した事業の報告や、学会員が出席した国内外での会議や研究会などへの参加報告などを掲載します。

  会誌委員会の主な仕事は、各号で掲載するテーマを選定し、執筆候補者を選定して原稿依頼をし、原稿を回収した後、校正および確認をおこなうことです。

  年度のはじめに会誌委員会では、まずそれから1年間に出す4号分(8月号から翌年5月号まで)の構成企画を立案します。企画記事や報告の大体のテーマを決定します。次に、そのテーマに沿い、編集委員を各号に割り当てます。今年度は、各号には、正副委員長、幹事および委員を含めて4名ずつが割り当てられています。

  各号の編集作業は、発行月の約3ヶ月前から開始します。例えば今皆さんが手にされていらっしゃる8月号の編集作業は、5月に開始しています。担当委員が編集委員会を開催し、具体的なテーマおよび執筆候補者を選定、担当委員を決定します。次に、割り当てられた委員が各自、執筆候補者から内諾を得、執筆者を確定した後、原稿依頼をおこないます。そして、7月の初旬までに、執筆者から原稿を回収します。回収した原稿を事務局でフォーマットした後、7月下旬を目処に著者に校正をおこなってもらいます。ゲラが出来上がるのが8月初旬で、最終稿のチェックをおこなった後、毎号、25日前後に発行されます。発行後、著者に対する謝礼支払いの手続きをおこない、一連の編集作業が終了します。

  会誌編集委員の最大の腕の見せ所は、執筆候補者の選定と、それらの執筆候補者から内諾を得、期限内に原稿を回収し、校正をおこなってもらうことにあります。面白いテーマであればあるほど、執筆候補者から内諾を得て、期限内に原稿を回収することが非常に難しくなってきます。薄謝でご寄稿下さる執筆者に感謝しつつ、出来るだけ質の高い会誌を会員に届けるべく、期限内にご執筆いただき校正いただくようお願いし、事務局との調整をはかりながら、25日の発行日に間に合わせるよう、編集委員は、毎号発行直前には多数のメールを飛び交わせることになります。そうした奮戦の末に刷り上がったゲラを手に取る際の安堵感と達成感は、かなりのものです。

  現在、会誌委員会のほとんどの作業が電子的媒体を介しておこなわれるようになりました。各編集委員は、主にメールにて執筆者から原稿を回収します。回収した原稿は、WIKIを利用したサーバを用いて、各編集委員と学会事務局との間でやりとりをおこないます。しかし、図表などの取り扱いにおいて、まだまだ作業の効率化が可能であると思われる点があります。会誌原稿のフォーマットをおこなうためには、現状ではプレーンなテキストとは別に、図表については解像度の高いファイルが必要となりますが、原稿の種類や執筆者によっては、あらかじめテキストと図表が混在した形で投稿されるものも少なくなく、担当編集委員がテキストのみ抽出したり、事務局が図表を打ち直したり、といった作業が必要となります。

  会誌の電子化に関しては、まだ多くの課題が残されています。執筆者から受取った原稿を、電子化して学会のウェブサイトから閲覧可能とするためには、著者からの再利用許諾が必要であったり、また、過去の記事に関しては、PDF化をおこなう必要があったりします。技術的、法律的、実務的な課題を解決しつつ、電子広報委員会との連携をとりながら、電子化を進める必要があります。

  会誌は、ヒューマンインタフェース学会と、ヒューマンインタフェース学会員との「インタフェース」の役割を担うものであると考えています。会員に有益と思われる知識や情報の伝播をおこなうと共に、学会のビジョンや姿勢を伝えます。一方、会員からの声を学会全体に届けるための手段としての機能も果たすべきと考えます。

  ところが現状では残念ながら、会員からの意見や要望を取り入れるための仕組みが機能しているとはいえません。学会に対する意見や、学会員全体に対する問いかけ、「こんな面白いテーマを聞いてきた」という報告など、ございましたら是非事務局の方にお知らせ頂ければと思います。